Hard Rock Cafe Zippoのバリエーション

1)レギュラーモデル(その1)

レギュラーモデルは、基本的にいつカフェに行っても買えるいわゆる「定番モデル」のことですが、現在までのところ、全店舗で発売されたモデルというのは存在しないため、ここでは「複数の店舗で同じ柄・加工のものが、ある程度の期間継続的に販売され、何かを記念したりしたものでないモデル」ということで定義します。
一方、ハードロックカフェには、Hard Rock International直営店の他に、本社と契約を結んだ各地域の代理店によるフランチャイズ店舗もあり、日本国内の各店舗(WDIグループ)の他、アジアグループがこれにあたります。また、独自に展開後HRIに吸収合併されたカナダグループ等もあります。これらのグループでもそれぞれ特徴的なZippo(地域定番品)を発売していましたが、現在ではそのほとんどが販売終了となっています。


a)Hard Rock International(HRI)/ Hard Rock America(HRA)
HRI/HRAの最初期の定番モデルは#254B、#218の2種だったと考えられます。
(#の付いた数字はZippoのモデルナンバーです。)

○#254B(ソリッドブラス、Solid Brass)プリントモデル
ソリッドブラスとは、その名の通り表面がメッキされていない真鍮素地のZippoで、その表面に白・茶・黄色の3色シルクスクリーンプリントでロゴが描かれています。ロゴ上に「SAVE THE PLANET」、ロゴの下にロケーションネームがそれぞれ赤のゴシック体で書かれています。表面は磨き仕上げになっていて本来はPolished Brassと呼ぶべきなのですが、加工の関係か顔が映るほどの艶はありません。

1990年代半ばにロゴバック(黄色の円)の色が、それまでのくすんだ黄色から鮮やかな黄色に変化しています。また、1998年末頃から、プリントの上にクリアーの保護塗装が行われる様になりました。

(シカゴ1987年製、パナマ2004年製。パナマのプリント周囲にクリアーのはみ出しが見えます。)

ロケーションネームは英字のみが原則ながら、トロントスカイドームではスカイドームのロゴが使用され、ナイアガラフォールズカナダは米国側の店との区別のためか「NIAGARA」と「FALLS」の間にメイプルリーフを配しています。

UNIVERSAL CYTYWALK OSAKA店では、当初「UNIVERSAL OSAKA」で発売し、次いで「UNIVERSAL CITYWALK OSAKA」でも販売されました。

1987年頃からHard Rock International(HRI)/ Hard Rock America(HRA)両グループの直営店をはじめ、数多くの店舗で販売されていたと思われますが、正確な販売開始時期は不明。日本国内全8店舗のうち、福岡店のみ未発売です。1998年頃から後述の#250ラスタエッチングモデルの発売と入れ替わりにほとんどの店舗で販売されなくなりましたが、2005年頃からロゴが大きくプリントされたものや、新ロゴがプリントされたものが発売されている店舗もあります。

(ロゴの大きなCataniaと、新ロゴのCayman Island)

○#218(ブラックマット、Black Matte)プリントモデル
Zippo全体が艶消し黒でペイントされたモデル。ロゴは青・黄・ピンク・緑の4色シルクスクリーンプリント、ロゴ上の「SAVE THE PLANET」はピンク、ロゴの下のロケーションネームは緑。ロケーションネームは英字のゴシック体が原則ながら、サーファーズパラダイスは筆記体が使用され、異彩を放っています。当時のHard Rock America傘下の店舗とフランチャイズ店舗で販売されたモデルで、発売が確認されているのは19店舗。1996年頃から徐々に販売されなくなり、現在ではコレクターズアイテムとなっています。

(通常書体のHonoluluと筆記体のSurfers Paradise)

なお、19都市以外に大阪店のものが存在しますが、開店当初から大阪店担当だったWDIの方に伺っても、ブラックマットモデルが販売された記録・記憶が無いとのことで、スペックサンプルが少数製造されたのみだったと思われます。

(#218 Osaka)

ロゴのピンクのプリントのずれ巾が広いものと狭いものがありますが、これはシルク印刷時の版ずれと思われます。ベースのZippoにCBとFBが存在するのも関係している可能性があります。

(Newport Beach のCB(左)とFB(右))

一方、色のバリエーションの異なるモデルも見受けられますが、これはフェイク品と考えられます。特にロケーションネームがピンクの物はホノルルの露店で売られていたフェイクらしく、非常に出来が良いため真正品と間違えてファンのホームページに掲載されている例もあります。

(Fakeの例:ホノルルの露店で売られていたもの。ロゴの配色が異なる。これは#250ベースだが、#218ベースでHONOLULU入りの物も存在した。)

○#250(ハイポリッシュクローム、High Polish Chrome)プリントモデル
光沢のあるクロームメッキされたZippoで、シルクスクリーン印刷でロゴ等がプリントされています。ロゴ等の配色は#254のそれと同じですが、サーファーズパラダイスの物は、ロケーションネームがブラックマット同様筆記体。数年前にその存在が確認され、現在までストックホルム、サーファーズパラダイス、ホノルル、ダラスが確認されています。製造年代から見て#254と同じぐらい初期から販売されていたと推測されますが、どのぐらいの店舗で販売されていたかは不明です。

(通常書体のStockholmと筆記体のSurfers Paradise)