Hard Rock Cafe Zippoのバリエーション
レギュラーモデル(その2)
a)Hard Rock International(HRI)/ Hard Rock America(HRA)(続き)
○#250(ハイポリッシュクローム、High Polish Chrome)ラスタエッチングモデル
クロームメッキされたZippoで、表面を艶消しにするブラッシュ加工(Brush Finish)がされておらず、光沢のあるもの。ロゴとロケーションネームがラスタエッチングで表現されています。Niagara Falls Canada店の物はロケーションネームのデザインが異なるためか、ロゴの大きさが大きい。
1999年頃から販売され、ほぼ全ての直営店および数多くのフランチャイズ店に加え、OrlandoのHRI本部内でも販売されたらしく、ロケーションネームが『CORPORATE』の物も存在します。2003年に入って品切れになった店舗からブラックアイスモデルが販売され始め、これに置き換わる気配を見せましたが、実際には下記のレーザーラスターモデルに移行し、ほぼ同じモデルが継続販売されることになります。
(ロゴが小さいNiagara Falls, USAと、ロゴがやや大きいNiagara (Maple Leef) Falls)
(HRI本部で販売?されたCorporate)
○#150 ブラックアイスモデル
2002年の後半頃から販売開始されたモデル。(確認されている最も古いものはシドニーの2002年9月)
この加工は、PVD(物理気相成長または物理蒸着)と呼ばれるもので、真空中で蒸着しようとする金属をアルゴンレーザーなどで蒸発・イオン化し、それを目的の物質(Zippo)の表面に蒸着させ、膜を形成させるものです。切削工具や各種金型の表面処理、半導体素子の製造工程などで用いられている手法ですが、強固で均一な膜が形成されるため、Zippoの加工にも適しており、同じ手法でMood IndigoやSpectramなど他の色合いの製品も販売されています。
ロゴはレーザーエッチングで入れられていますが、シドニーのロゴは#254モデルと同等の大きさでしたが、それ以後の店舗のロゴは大振りになっています。コンピュータ制御になったためロゴの大きさの調整も簡単なのかも知れませんが、上品さに欠ける感じもします。また、東京店では店名が半分しか入っていないエラー品も発見されています。これもレーザー加工ならではのエラーと言えるでしょう。
(ロゴが小さいSydneyと、ロゴが大きいLas Vegas)
(ブラックアイスモデル、東京の正規品 とエラー品)
○#250 レーザーラスターモデル
2004年前半頃から販売開始されたモデル。前記の#250ラスタエッチングモデルと見た目は同じですが、前者が化学的なエッチングだったのに対し、このモデルではレーザーエッチングが用いられており、彫りの部分がざらついたマット地になっています。世界的に環境問題がクローズアップされている時期で、Zippo社でも化学排液が生じるケミカルエッチングよりもレーザーエッチングの方が環境負荷が小さいと判断したのかも知れませんが、Zippo社では同時期からエッチングを使わない加工や、レーザー加工を取り入れた製品が増えています。その様な流れからなのか、前記の#250ラスタエッチングモデルと入れ替わる形で販売が継続されました。手持ちのもので、ラスタエッチングの最後期のものは2004年4月、レーザーラスターの最初期のものは2004年2月の製造でした。前記のブラックアイス同様、製造時期もしくは都市によってロゴの大きさに差がある物が確認されています。例として小さい物(Caracas)と大きい物(Athens)の比較(合成画像)を示します。
(ロゴの大きさ比較・合成画像)
○#250 レーザーエッチングモデル
2006年前半頃から販売開始されたモデル。手持ちのもので最初期のものは2006年2月の製造でした。新しいタイプの影のないロゴがレーザー加工で入れられていますが、前モデルが深く彫り込まれた加工だったのに対し、このモデルでは表面にざらつきを加える程度のごく浅い加工となっています。前記レーザーラスターモデルの後継と思われますが、ロゴ、加工共に安っぽくなってしまったのが非常に残念です。