Hard Rock Cafe Zippoのバリエーション

レギュラーモデル(その3)

b)Hard Rock Asia Group
Hard Rock Asia Group(ハードロックアジアグループ)はシンガポールに本部を置くアジア地区のフランチャイズ事業を展開している会社です。そのテリトリーは中国、韓国、東南アジア、オセアニアと、日本を除くアジア全域をカバーしています。このグループも独自の加工・デザインのZippoを販売しています。これまでに存在した店舗は、Bali, Bangkok, Beijing, Guangzhou(closed), Hong Kong, Jakarta, Kowloon(closed), Kuala Lumpur, Makati Philippines, Pattaya, Seoul, Shanghai(closed), Shenzhen(closed), Singapore, Taichung(closed), Taipei(closed)の16店舗です。

○#200(ブラッシュフィニッシュクローム、Brush Finish Chrome)ラスタエッチングモデル
Zippoの不滅の定番とも言うべき、銀色のクロームメッキに艶消しのブラッシュフィニッシュ加工がなされたモデルがベースになっています。
ロゴとロケーションネームがラスタエッチングで彫りこまれていますが、加工手順やロケーションネームの彫りの違いによっていくつかのバリエーションがあります。

加工手順については、
A)ロゴをエッチングしてからブラッシュフィニッシュを施したもの
B)ブラッシュフィニッシュされたものにロゴをエッチングしたもの
があり、前者はロゴ部分にもブラッシュ加工がかかっています。このため後者の方がロゴの辺縁が鮮明で、彫り部分も際立って見えます。

(加工方法の違い 左=A、右=B。Bの方がロゴが鮮明に見える。)

またロケーションネームも、
1)エッチング
2)レーザーで文字の輪郭のみを彫刻
の2つの加工法が確認されています。

(加工方法の違い 左=1、右=2。1は文字全体が彫り込み、2は輪郭のみとなっている。)

これらの加工法は時期や販売店もまちまちで、ある時期から変更になったのかどうかは不明です。
ロケーションを入れない状態で制作しておいて、注文が入った時点でロケーションをレーザー刻印する方が在庫管理の点では良いので、合理化の一貫として採用されたのかも知れません。

(ブラッシュフィニッシュ後エッチングとレーザー彫刻ロケーションの上海店モデル。B-2の加工。)


○#250(ハイポリッシュクローム、High Polish Chrome)プリントモデル

シルクスクリーンプリントでロゴが描かれていますが、ロケーションネームは黒で、書体も上記の#200モデルと共通の書体が用いられています。また、ロゴの配色もHRI/HRAの物とはロゴバックが明るい黄色(#254Bの後期よりも鮮やか)で異なり、「SAVE THE PLANET」も無いなど、HRI/HRAとは別に企画したモデルと考えられます。(Warningステッカーが無いなどの点から、加工もZippo本社ではなくアジア地域で行われたと考えられます。)

○#250(ハイポリッシュクローム、High Polish Chrome)Applied Yellow Logo

#250ベースZippoに七宝焼きのロゴメタル(ロゴピンのメタル部分の様な物)を貼り付け、リッドにロケーションネームを彫刻しています。ロケーションネームの書体は上記の物と同一のようです。これもZippo本社の加工ではなく、アジア地域での加工のようです。1998-99年頃アジアグループのほぼ全店で販売されましたが、販売期間はあまり長くなく、あっという間に次のモデルに移り変わって行きました。

○#250&#200 Applied Crown Logo

さまざまな種類のZippoをベースに、王冠(Crown)型、もしくはSunburst型と呼ばれる、周辺にギザギザの入った特異なロゴのメタルを貼り付け、リッドにロケーションネームがプリントされています。1999-2000年頃から販売が開始されました。当初は#200と#250ベースのみでしたが、加工が張り付けとプリントのみで簡単だったためか、7色あるマットモデルのZippoをベースにして種類が大増殖しました。マットのカラーバリエーションは把握している限りで、バリ2、バンコク4、ホンコン3、パタヤ5、ソウル6、シンガポール7に及びます。このようにモデル数が増えると、店頭で色欠品を生じることもあり、コレクターにとっては頭の痛い事です。