Hard Rock Cafe Zippoのバリエーション

レギュラーモデル(その4)

c)Hard Rock Canada Group
別記の通り、本家HRCとは別のロゴでカナダ国内、ベイルート(レバノン)、南アフリカ等に展開していましたが、1996年にHRIに買収・統合(unification)され、現在はHRIの店舗として営業中です。
カナダ西部の店舗は2000年6月にいずれも閉店し、現在はカナダ東部の店舗が残るのみとなっています。


○#204 &#204B(ブラッシュドブラス、Brushed Brass)
#204モデルは、#254B同様ブラス(真鍮)素地のZippoですが、#254Bがポリッシュ仕上げなのに対し、#204はブラッシュフィニッシュ仕上げのモデルです。リッド(蓋)に『SOLID BRASS』の文字が入っているものと入っていないものがあり、Zippo社のカタログ名としては文字入りが#204、文字無しが#204Bとなります。このベースZippoに、エッチング加工によってカナダロゴとロケーションネームが彫り込まれています。
アジアグループの#200同様、ブラッシュ加工がエッチングの前の物と後の物が存在し、ロゴの印象が大きく異なります。

左:ロゴをエッチング後にブラッシュフィニッシュ加工したもの。#204
右:ブラッシュフィニッシュ加工後にロゴをエッチングしたもの。#204B
右の方がロゴが鮮明なのが判る。

カナダ国内で販売されるZippoは、2002年まではナイアガラフォールズにあったZippo社のカナダ分工場で生産されていました。生産と言っても、アメリカのZippo本社工場で生産された半製品を、輸入し組み立て(Assemble)するだけなのですが、ボトムにはちゃんと「NIAGARA FALLS, ONTARIO」と刻印されています。この刻印は本社工場で行われており、#204モデルのカナダ刻印も確認されています。そして、国境を挟んでそれぞれの地域で販売されるZippoはきっちり区分されていました。
ところがHRCカナダの#204モデルは、インサイドユニットはカナダ刻印ながら、ケースはいずれもブラッドフォード刻印です。私がナイアガラフォールズを訪れた際に、カナダ側の土産物屋なども見回ったのですが、カナダ側で販売されているZippoのうち、エッチング加工されたソリッドブラスモデルはいずれも米刻印ケース+カナダ刻印インサイドの組み合わせでした。これまで明らかにされている資料等から、カナダ分工場では小規模ながら#200モデルのエッチング&ペイント加工は行っておりましたが、ソリッドブラスモデルに対するエッチングは行っていなかったのかも知れません。


○#200(ブラッシュフィニッシュクローム、Brush Finish Chrome)
カナダロゴが青とオレンジで、ロケーションネームは黒で描かれています。加工方法はエッチング&ペイントで、クロームメッキされたライター表面を薬品で腐食(エッチング)し、柄を彫り込んだところにペイントを施したもの。現在のところ、Montreal、Skydome、Torontoの3つを確認。刻印はボトム、インサイドいずれも「NIAGARA FALLS, ONTARIO」です。